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リトミック発表会

運動と脳と思考

リトミックがよいといわれる理由

​リトミックが音楽教育においても、発達においても良いと思われる理由はたくさんありますが、

ここでは3つあげたいと思います。

リトミックは音楽を主体として、動くことをします。

動きと脳の関係を見ていくと、体が動くことによって筋肉が動き、

筋肉が動くことで脳の前頭葉というところに刺激がいきます。


前頭葉は人が行動を開始したり抑制したりする機能をつかさどっています。


同じ運動をくりかえしていると前頭葉の刺激はなくなり動きがスムーズになって自動化されます。

自動化された動きは小脳というところで処理され、無意識に運動ができるようになっていきます。

例えば、歩くとき走るとき、右足を引き揚げて、地面につくときはどこからついて、

左足は、そのとき腕は・・・と考えている人はいないと思います。


人の基本動作は脳によって自動化されて、

そのおかげでスムーズに動くことができているのです。

無意識に運動ができるようになったら、

その動きにプラスして新たな、より複雑な動きを習得していくことができます。

複雑な体の動きは、体の発達に大切であるいろいろな感覚を養うことができます。

前頭葉の働きは他にも情報を整理、計画したものを

処理したり判断したりする働きもあります。

運動をすることによって前頭葉が刺激されるということはすなわち

状況に応じて判断する能力を強化していくことでもあるのです。


リトミックがよいと言われていることはまず2つ、

音楽にあわせて体を動かすことによって体の発達に大切な感覚を育てている。

状況に応じた判断をする力を育てている。

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運動と思考とリトミック

​自動化されるプロセスには思考が深く関わっています。

スポーツジムで、この筋肉に効いている!という意識を持ってマシンを動かすと、

意識しないよりも、意識できた方がより筋肉がつきやすくなります。


スポーツ選手も昔のように根性論で体を動かすということはしなくなりました。

それは思考が大切だと考えられているからです。

音楽に話を戻すと、ピアノを弾く、歌を歌う、

バイオリンを弾く、トランペットを吹く、ドラムを叩く。

どれも必ず筋肉を動かします。


その上でどんな音を出したいか、どんなフレーズで息をとるか、

というところでも筋肉と思考の関係が大事になってきます。


リトミックでは音楽的な表現を歩く、走る、止まる、から始まり、

徐々に音楽にあった動きを体験していきます。

その中にはリズムを始め、フレーズや、音程、音楽のエネルギーなど

本来見えない音楽を動きによって可視化し、体験することをたくさん行います。


楽器演奏の習得を始める前に、

リトミックで音楽と思考と筋肉の動きが自動化されていると、

筋肉を通して楽器演奏の表現として

置き換えられるようになってくるのです。

音を聴いてどのように動き、表現するのかを、思考を伴ってできるのがリトミックなのです。

リトミックが良いと言われている理由の3つめは

自動化された運動にプラスして、動きに思考が伴っていることで、

考える力を育てることができる、ということなのです。

運動することによって、筋肉が動き、筋肉が脳に働きかけ、脳が思考する。

これをループしていくことは、子どもの発達や成長にとても重要なのです。

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